能力を高めたいとき

-青木 功氏の講演から-高い目標に向けて努力する一流プレーヤー

1980 年の全米オープンでニクラウスとの死闘を演じ、また、1983 年のハワイアンオープンでは逆転イーグルで優勝するなど、数々の戦績を上げた青木 功氏の講演を聞く機会がありました。

青木氏もまた、前回の柔道家山下泰裕氏の講演会での話と同様、一流となるため、高い目標を掲げ、それに向かって常に努力することの大切さを力説していました。

-柔道家山下泰裕氏の講演から-常に高い理想の姿を追って日々努力2020年東京オリンピックを前に、JOC会長になられた山下泰裕氏の講演を、20年ほど前にワシントンDCで聞く機会がありました。 山...

青木功氏が、継続的に優秀な成績を残すことができたその秘訣の一端を、今回は紹介します。

常に高い目標を持ち、努力し続けること。

青木氏は、冒頭、「自分が生きている間に(技術が)“完成”したと思うことはない」と話していました。

高い目標を立て、一つの目標をクリアーしたら、その次にはさらに高い目標を立て努力していくことを繰り返していくのみであると、話し始めました。

そしてそのようなことができなくなった時が、自分が死ぬときとも話していました。

先に山下氏の講演での話を紹介しました、山下氏も講演の中で、「その理想に向けて自分を鍛錬していく過程において、途中の実績は関係ない。後ろを振り向かず、前だけを見て生きてきた。途中で休んで、良くやった。

“よっこいしょ”と言った瞬間に、引退の時が来ている気がする」と話していました。

常に高い目標を持ち、努力し続けること、これは、一流アスリートの生き方の共通点ではないかと思います。

両氏の言葉を貴重な教えとして、その後の会社生活では、常にこの点を頭において行動しました。

青木氏が説く、「身・技・体」ではなく、「体・技・心」とは

青木氏はまた、人との出会いが大切で“人からの厳しい言葉が次の行動につながる”と話していました。

その人との接触で得られたヒントをうまく自分のものに取り込み、そのときの目標とすることで、さらに努力を積み重ねてきたのだと思います。

氏は、ゴルフばかりでなく、スポーツ一般を対象として、目標を達成していく上では、 体力がもっとも大切と語っていました。

一般にいわれている「心・技・体」をひっくり返して「体・技・心」であるべきと話していました。

まず、自分の弱いところを強化する上では体力が必要であり、このトレー ニングにより技術がつき、技術が伴えば優勝するなどし、心が豊かになると話していました。

青木プロならではの解釈と思います。

一流プレーヤーが認める一流プレーヤーは誰?

講演が終わってからの質問の時間に「青木プロが認める、ゴルフ以外のスポーツのプロは誰ですか」という質問をさせてもらいました。

答えは「イチロー選手」とのことで、「日本を離れ、米国であれだけの成績(今年(2010年) 200本安打を記録すると10 年連続となるなど)を残せる人はすばらしい人。記録を残すだけの努力を続けている証。」

と話してくれました。

質問の意図は、ワシントン DC にいた時に、1984 年のロスアンゼルスオリンピック で金メダルを獲得するなど、柔道家として大記録を打ち立てた山下泰裕氏が、自分以外の一流プレーヤーとして、やはり「イチロー選手」の名を挙げており、青木プロはどのように答えてくれるのかなと言う興味があったためです。

答えを聞き、山下氏が、イチロー選手の名を挙げて「我々が行き着きたいところは自分が描いた遙かに高い理想の姿。その理想に向けて自分を鍛錬している」

と話していたのを思い出しました。

やはり、一流プレーヤーが認める人、また、その認める根拠は、結局同じような点に帰するものなのだなと改めて感じた次第です。

まとめ

山下氏と青木氏が語る高い目標を掲げ、それに向かって日々努力することは、我々一般の人にとっても大切なことであると思っています。

そして、自分自身、会社の経営に参加した際には、“高い目標を掲げ、日々努力すること”を会社の基本的な方針として経営を担い、両氏の語る言葉の大切さを実感しました。